2016年に計画、構築が行なわれ、2017年5月からは実際に証明書の配布と利用が始まった。まずは国内で展開、クラウドサービスの利用はクライアント証明書をインストールした端末からに限定された。しかし導入初期にありがちな現場の混乱はなかったと黒田氏は教えてくれた。
「新しいシステムを導入すると問い合わせが殺到することが多いので、しばらくは問い合わせに追われることを覚悟していたのですが、肩透かしでしたね。問い合わせがあったのは利用開始から数日だけ、多い日でも10件くらいでした。」
どうやら、UIを重視したことが、いい結果を招いたようだ。エンドユーザだけではなく、人事部門もユーザデータ運用が変わらなかったため、滞りなく日常業務をこなしているとのこと。
国内での導入フェーズは成功裡に終わったものの、これから先にはグローバル展開が待ち構えている。その際、JS3は頼れるパートナーになり得るのだろうか。そう問いかけると宮田氏は導入時の印象も交えながら次のように語った。
「プライベートクラウドへの導入については、責任分界点やライセンス体系について細かい調整を行ないました。その過程で技術的な質問も多くしましたが、適時に回答や提案をいただけましたので今後もよいパートナーになってくれるだろうと期待しています。」
また黒田氏はグローバル展開について、以下のように語り締めくくってくれた。
「次フェーズでは海外での認証基盤の構築となりますが、国内導入フェーズと同じく迅速かつ真摯な対応をいただきたいと思っています。JS3は国内マーケットを主軸に活動しているベンダーと聞いていますが、このたび実施した仮想基盤の活用など最新技術を用いた解決策を一緒に考えていけることを希望しています。」
