リコーグループは国内500拠点、パートナーを含めると5万ユーザを抱える巨大組織だ。従来もVPNやWi-Fiに接続するための電子証明書を発行する認証局を導入していたが、証明書の配布はユーザにとってもサポートにとっても負担が大きく、管理も十分とは言えなかった。しかしWorkspace ONEに証明書を自動配布する機能があると知り、連携できる認証局製品としてGléasが注目された。
「証明書を入れるのは、ユーザにとってもサポートする側にとっても面倒です。証明書を発行するのは容易ですが、マネジメントをいい加減にしていると、証明書を使っていてもなんの役に立たない、意味のないセキュリティ管理になってしまいます。」
リコー デジタル推進本部 セキュリティ統括部の和久利 智丈氏は、そう力説する。
スマホの導入は営業スタッフへの1万台規模の配布から始まった。リコーではiPhoneを使っているが、Appleの管理ツールに登録されて納品される。そのiPhoneは自動でWorkspace ONEの管理下に入り、管理者の操作一つでGléasから証明書が配布される。WordやExcelなどのOfficeアプリも同様だ。
仮にこの作業を手動で行った場合、キッティングに要する時間が1台あたり数分としても1万台なら膨大な工数となり、それが削減されたのは大きい。今後はグループ全体9万7千人へのグローバル展開へ向けた準備が進められているという。
また証明書の管理の面から見ると、デバイスを使わなくなったときに、証明書を失効しなければならないが、Workspace ONEとGléasを連携させることで非常に簡単に管理できるようになっている。従来の証明書の有効期限は5年や10年と長期だったが、この環境なら有効期限を短期にすることで定期的にユーザIDの棚卸しができるので、より厳密なIDマネジメントが可能となる。
